患者申出療養制度について|パクリタキセル投与からみる(その2)

聴診器と薬 患者申出療養

【腹膜播種の最新治療】パクリタキセルの腹腔内投与について

 

パクリタキセル 腹腔内投与 実施病院など

現在、患者申出医療の前例になっている療養はまだ1種類
 
 

「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1(TS-1)内服併用療法 腹膜播種又は進行性いがん(腹水細胞診又は腹腔洗浄細胞診により遊離がん細胞を認めるものに限る。)」

 
 

現在これしか前例がありません。

※2017年8月8日現在はいくつかの治療が追加になりました。こちら→「患者申出療養を実施している医療機関の一覧」をごらんください。

患者申出療養の一覧によると、現在はすでに患者申し出療養として、どこかの病院で前例がある医療を他の医療機関が実施する場合は標準で

臨床研究中核病院に申出すると、2週間程度かかると書いてあります。

これがまだ前例のない治療となると、その3倍の6週間かかるということでした。
 
 

とりあえず、いま現実的な前例がある治療として、自分がいろいろな病院で、聞き取りしたところ下記のようなことがわかりました。
 
 

前例がある患者申出療養の場合

 
 

1)探す
まず患者から「この先進医療は募集が終ってしまったんだけどぜひやりたい」というものを探す。←これが大切!!

2)相談
最初にかかりつけのお医者さんに相談。

3)仮申し出
近くでやれそうな(やれる設備のある)臨床研究中核病院(以下、中核病院という)に申し出しでる。やれそうな中核病院を探すには、かかりつけのお医者さんに中核病院に聞いてもらうか、自分で電話することになります。

4)正式に申し出
電話確認などで中核病院が希望の先進医療をできそうだとなると、まず外来診察から始まると思われます(面倒ですが、経験上、特に緊急性が無ければだいたいは外来診察から始まります)。そこで検査をして、患者症状が先進医療の条件に合っていることがわかれば、正式に中核病院が申し出を受ける、ということになります。

5)病院と協議
そして、正式な申し出があったあと、病院側で医療の金額算定、及び事務処理等の手続きを踏まえ(1週間~2週間程度)、改めて患者と申し合わせをすることになります。そこで患者と病院側で合意できれば・・・

6)地方厚生局に届け出
中核病院から、先進医療を取り扱ったことのある病院に申出をします。これは共同研究の申請と言う形の申請になります。前例のある病院はやろうとしている中核病院を個別審査して、OKとなればそこから地方厚生局に届出をします。

7)受理
そこで受理になればようやく身近な医療機関で実施となるわけです。(6~7までで約2週間。1~7までだと、約6~7週間です。うーん長すぎますね。)

参考文献:「患者申出療養の流れ(前例のある療養をする場合)」
 

ただ緊急のときはこのように長い期間はかけられないので、その場合はもっと短縮できるのでは・・・という担当の方のお話しでした。

次にパクリタキセルを調べてみました。
 
 

パクリタキセル(タキソール)植物アルカノイド系

 
1992年にアメリカで卵巣がんの治療薬として認可され、いまは乳がん、肺がん、胃がん、子宮体がんなどさまざまながんの治療に使われています。

標準治療に使うときは、最初に使うことは少なく、切除不能がんや再発がんの2次治療(1次治療で効果がない場合に2次治療を行う)に使います。

近畿大学医学部外科学教室のサイトの高度先進医療への取り組みのところで下記のようにありました。

「腹膜播種は、胃がん細胞が大きくなり胃の壁を突き抜け、壁の外にこぼれ落ち、腹膜に付着して発育するという転移様式です腹膜にがん細胞が広がると、手術で治す事ができません。そのため、腹膜播種の治療は抗がん剤が中心となりますが、十分に効果のある治療法は未だ確立されていません。その理由として、腹膜播種には抗がん剤の内服や点滴などでは薬が届きにくいことが挙げられます。」

腹膜播種になるとステージはⅣ。

こうなると通常の抗がん剤では効きづらいということですね。

そこで腹腔内化学療法の出番です。

日経メディカル2016年6月6日
「腹膜転移胃がんへのパクリタキセルの腹腔内追加投与法は有効な可能性」という記事がありました。
(リンクは日経メディカルに登録しないと見られないかもしれません)

細かい内容は専門的過ぎるので、記事は載せませんが、概要(がいよう)は、

「TS-1(S-1)とパクリタキセルの静脈内投与に加えてパクリタキセルの腹腔内投与を行う方法は、進行胃癌に対する標準療法であるTS-1(S-1)とシスプラチンの全身投与よりも全生存期間が延長できる可能性が明らかとなった。

ということでした。

見込みは若干あるのですね。

患者にとって希望が見えるということはとても大事なことなんです。

自分はこの腹腔内化学療法は、腹膜播種に対しては一番現実的ではないかと思っています。

まだまだ確認しないことがたくさんありますので、調べていってみたいと思います。

それでは。

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