胃がんの抗がん剤治療をステージ別にまとめました(胃癌治療ガイドラインより)

medicine 抗がん剤

抗がん剤の治療方針フローチャート

 
 

胃がんの化学療法(抗がん剤)について、ガイドラインにある 標準治療(現在おおかたの人に一番効く事が分かっている治療) を調べてみました。

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薬物療法とは、腹腔外の臓器に移ってしまっている(転移) Ⅳ期 の進行胃がんの場合や、手術後に再び胃がんができた(再発)場合に選択する療法です。

まずはガイドラインの推奨は「HER2」というたんぱく質があるかどうかの検査からです。それで陽性か陰性を確認し、選択がわかれます。その後抗がん剤をうまく使いながら1次治療、2次治療、3次治療と有効な薬剤をすべて使って薬物治療を続けることが推奨されています。

分かりやすく、下の表にまとめてみます。
 
 

<抗がん剤の治療方針>

 
 

<抗がん剤の種類>

表にある抗がん剤を下のように簡単に説明をつけました。
参考にしてください。
 

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○S-1(TS-1という製品名もあります)

・難しい言葉で「フッ化ピリミジン系抗がん剤」の一つです。

・そのほか「代謝拮抗薬」ともいいます。

・この薬は がん細胞 DNA中の「プリン」と「ピリミジン」と構造が似ているため、がん が分裂するときにDNAに入り込んで増殖を抑える効果があります。

・その作用により、がん が大きくならないようにします。

少ない量を何度も長く使用するときに使います。

ほかの抗がん剤と併用すると作用を強くする特徴もあります。

・副作用もほかの抗がん剤と比べるとひどくなる報告はありません。
 
 

○シスプラチン( CDDP とも言います)

・プラチナ製剤の一種です。

・がん のDNAにある「グアニン」と「アデニン」という物質に 強くくっついて、DNAをほどけなくします。分裂・増殖するときには ほどけてから またくっつくという流れで分裂・増殖するので、がん細胞は正常な分裂・増殖ができなくなるという仕組みになっています。(う~んちょっと難しいですね・・)

抗がん剤の中では副作用は強い部類です。

・特に 吐き気や嘔吐です。

・腎機能障害 も起こりやすいため、投与前と投与後 には点滴などで おしっこ をよく出すようにします。

・骨髄抑制 という症状が認められるため、白血球が下がる現象もおきます。

・そのほかにもある程度の副作用がでるという報告もあります。
 
 

○カペシタビン(ゼロータという製品名もあります)

・S-1と同じく「フッ化ピリミジン系抗がん剤」の一つです。

作用などもS-1とほぼ同じです。

・DNAの合成に必要な物質の1つに「ウラシル」がありますが、この薬は ウラシル に似た分子構造を持ち、ウラシルの代わりにDNAに取り込まれて、分裂を邪魔します。
 
 

○オキサリプラチン(エルプラットという製品名もあります)

・シスプラチンと同じくプラチナ製剤の一種です。

・がん に対するはたらきはシスプラチンと同じく、2本のDNA鎖の間に入り込んで、DNAの分裂・増殖を邪魔します。

・末梢神経障害という特有の副作用があります。これには投与してすぐに起こるものと、何回も投与した後から起きてくる副作用があります。

大腸がん のときによく使う治療薬です。
 
 

○パクリタキセル(タキソールという製品名もあります)

・強い毒性のある植物成分を応用した「植物アルカロイド」という抗がん剤の一種で、「微小管阻害剤」に分類されます。

・がん の細胞分裂が行われるとき、細胞の中ではDNAが複製されます。複製されたDNAは、「微小管」 という管状のたんぱく質によって引き寄せられ、分裂後にそれぞれの細胞に分けられます。この 「微小管」 のはたらきを阻害するのが微小管阻害剤です。(うーん これも難しいですねー)

・植物性アルカロイドには神経障害の作用もあるため、副作用として手足のしびれや、自律神経の異常が副作用として挙げられます。

人によって強いアレルギー反応が起こることがあり、投与後は慎重な観察が必要です。
 
 

○ラムシルマブ(サイラムザという製品名もあります)

・血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)に対するモノクローナル抗体です。

・どのような仕組みで効くのかというと、がん細胞にできる異常な血管に向かい、血管を正常に戻して、ほかの抗がん剤 を届きやすくする 抗がん剤 です。

・ほとんどのがん細胞は他の正常な細胞にはない特定の目印を持っています。その一つが 「血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)」というものです。

・ラムシルマブとパクリタキセルの併用投与が有効です。

がんは、抗がん剤がだんだん効かなくなること(耐性)がありますが、これは直接効果がある抗がん剤ではないので、耐性ができることはありません。
※後日耐性ができるというニュースがありました。残念です。
 
 

○ドセタキセル(タキソテールという製品名もあります)

・これもパクリタキセルと同じ植物性アルカロイドの微小管阻害剤です。

・ヨーロッパイチイから抽出された成分を使って作られた「タキサン系」に属する抗がん剤です。

・「タキサン系」は微小管の分裂サイクルを邪魔します。通常、束になっている微小管は細胞分裂が終わるころになるとバラバラに戻るのですが、タキサン系の薬を使うとくっついた状態が続くため、こちらもうまく分裂が完了できずに、がん細胞が増殖できなくなるということです。

パクリタキセルより投与量が少なくてすみます。

しかし、骨髄抑制が強く出る場合があるので注意が必要です。
 
 

○イリノテカン(カンプトという製品名もあります)

・これも植物アルカロイドです。

・これは がん のDNAに作用する酵素「トポイソメラーゼ」を阻害して 抗がん効果 を生み出すとされています。

・がん のDNAが分裂するときに、一度ほどけて一本になります。このとき、一本の鎖を切断したり再結合させたりするために働く酵素が、トポイソメラーゼⅠ と言われているものです。これの働きを邪魔するのです。

国内では広範囲な がん に用いられます。

ほかの抗がん剤と比べて副作用がやや強く、重篤な下痢は致命的になるおそれがあります。
 
 

○トラスツズマブ(ハーセプチンという製品名もあります)

・これもラムシルマブと同じで、「2型ヒト血管内皮増殖因子受容体」のモノクローナル抗体です。

・「2型ヒト血管内皮増殖因子受容体」とは「HER2」(ハーツー)と呼ばれています。

・「HER2」という目印は全ての がん にあるわけではありません。

検査で「HER2」がなければ使えません。

「HER2」タンパクに集中的に働きかけるので、正常な細胞にはあまりダメージを与えません。そのため、副作用はほとんど見られません。
 
 

・・・・以上なるべく簡単に書きましたが、読み返すとやっぱり難しいですね。参考にしていただければうれしいです。
 
 

(参考サイト)
がん情報サイト
cancer information Japan(http://cancerinfo.tri-kobe.org/)

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