抗がん剤への医者の本音?【癌の薬剤耐性メカニズム】

抗がん剤のイラスト 抗がん剤

がん治療で気を付けなくてはならない薬剤耐性の知識

 ▼ 目次 
  • 1)医者は自分には抗がん剤を使わない
  • 2)「がん」の治療抵抗性(薬剤耐性)について
  • 3)抗がん剤の他の細胞への影響
  • 4)薬剤耐性の発生期間
  • 5)最近の研究の成果
  • 6)個人的感想

 
 
 

1)医者は自分には抗がん剤を使わない

 
 

内科医で漢方医である「内海 聡さん」のFacebookページで下記のような記述がありました。
 

「医者は自分には抗ガン剤を使わない
カナダの肺がん専門医に「あなたが、がん患者だったらどんな治療法を望むか?」というアンケート調査。肺ガンは3A期ということですすんでいるが、手術も不可能ではないというレベル。無治療を望んだ医者は22%。手術を希望した医者はわずか6%。抗ガン剤を希望した医者はさらに少ない5%。」

出典:Facebook(内海 聡さん)

 
この記事は衝撃的で、またたくまにニュースとして広まっていったと言います。

私もこれを見つけたとき、いろいろな情報から、内海さんの記事はなかなか扱うのは難しいと感じていましたので、手放しで信じてはいませんでしたが、私も家族の抗がん剤計画がおおよそ決まったあとこのニュースを発見したため、かなり不安になったことを覚えています。
 
 

2)癌の治療抵抗性(薬剤耐性)について

 
 
日本では、再発や転移のがん治療では抗がん剤を使用する場合がほとんどですが、ある特定のがん細胞に対して抗がん剤が効いていたとしても、一部抗がん剤が効かないがん細胞が生き残ってしまうことがあります。

抗がん剤投与した最初のうちは効いて、「がん」が小さくなっていきますが、徐々に効き目がなくなってきて、その後抗がん剤を入れても変化が見られなくなってきます。

そして、最後には抗がん剤を投与したのも関わらず、「がん」が大きくなっていくということが起きます。

これは「がん」が抗がん剤に対して耐性を獲得できしたということにつながります。

(スポンサーリンク)

抗がん剤の耐性は、抗がん剤に対抗するように「がん」が変化したということではなく、その抗がん剤の攻撃に耐えられる癌細胞が生き残り、生き残った癌細胞が増殖することで、再発するといわれています。

再発したがん細胞は耐性をもっているため、抗がん剤が効かなくなります。

そしてその時点で、2次治療、3次治療と抗がん剤を変えていく手法が、再発や転移のがんに対する日本の主流となっています。

また、よく言われるがんが「消えた」とは、あくまで 機器の測定限界 を意味していることであって本当に完全に消えたわけではないのです。

抗がん剤の効果測定方法は大きくわけて4段階に分かれています。(説明はわかりやすくしています)
 
 

  • 1完全寛解(CR)・・・画像診断などで「がん」が見えなくなった
  • 2部分寛解(PR)・・・「がん」の大きさが50%以上縮小した
  • 3変化なし(NC)・・・完全寛解・部分寛解・再燃・進行のいずれにも当てはまらなく、大きさに変化なし
  • 4再燃・進行(RD・PD)・・・「がん」が大きくなった

 

「がん」の医療用語では 完全寛解(CR)といわれますが、これは本当に消えたわけではなく、機器の測定限界以下 になったことだけなのです。

つまり、機器に測定できないレベルの小さな「がん」はたくさんあるのです。

この機器に測定できないレベルの小さな「がん」というのはおよそ1ミリ程度と言われていますが、その塊には無数のがん細胞が存在します。

よって 完全寛解 したとしても、実際は小さながん細胞が数多く体内に残っており、 癌が治った ということには なかなか ならないのです。

そして、この1ミリ程度の癌は、薬剤への耐性を持っていますので、抗がん剤が効かなくなったとき、消えたと思われていた「がん」が一気に増えだして、再発、転移というかたちになって出てきます。

抗がん剤へのがんの耐性の影響はこのようにして起きるのです。

(スポンサーリンク)
 
 

3)抗がん剤の他の細胞への影響

 
 

抗がん剤は正常な細胞や免疫細胞にも深くダメージを与えてしまいます。

そのため、薬剤耐性を獲得してしまった「がん」に対して、その後まったく対抗できなくなってしまうようになると考えられています。

この場合有効と考えられるのは免疫療法 ですが、抗がん剤でなるべくがん細胞を減らしてから、自由診療の免疫細胞療法で後を引き継ぐという方法をとると、徹底的に標準治療をやったあとは、免疫細胞は相当ダメージを受けています。

その場合 免疫細胞療法 が出来なくなっている可能性もあります。

どの段階で 免疫細胞療法 の準備を始めるかなど、綿密に治療設計を考えておくことが望ましいと思います。

また、自由診療としてですが、抗がん剤治療と免疫療法を一緒にすることで、免疫の低下を防ぐようなやりかたもありますので、担当の先生と検討する必要があります。

そのほか急激な効果は期待できませんが、持続的な漢方療法をしたり、そのほか患者にあった免疫力をあげる食事などしたりと、いろいろ併用していくといいかもしれません。

 
 

4)薬剤耐性の発生期間

 

薬剤耐性ができてしまう期間はその人の体質や、薬剤の種類にもよって幅が大きいので、お話しするのは難しいですが、早ければ約6カ月~1年で耐性ができてしまうようです。

しかし確かな情報ではありませんが、それよりも長い期間耐性ができなかった というかたもいるそうですので、確定的なことをお話しするのは難しいと思います。

この期間についての詳細は、担当の先生とお話しして、個別の予想を検討することが最もよいと思います。

【がん免疫療法】樹状細胞ワクチン療法と実施している機関

【樹状細胞ワクチン療法】の病院を聞きました
樹状細胞ワクチン療法は副作用の少ない免疫療法です。2017年3月の現状をまとめました。

がん最新ニュース2017年8月3日|オプジーボ胃がん・がん保険・コーヒー・お酒

オプジーボの「承認・副作用」と「現場の先生の感想」
オプジーボが胃がんで適用に期待オプジーボの胃がん適応2017年9月に承認2017年から胃がんにも「オプジーボ」が保険対象になりました2017/7/9付日本経済新聞オプジーボの胃がん適応、9月にも承認今年2月に薬価を半額に引き下げられた小野薬

 
 

5)最近の研究の成果

 
 
最近は、新しい研究の成果による技術が次々とでてきています。

平成29年3月13日に公益財団法人がん研究会の成果では、

EGFR変異陽性肺がんに対するオシメルチニブ耐性克服療法

を発見したとニュースがありました。

 
 

2017年04月03日
 奥野恭史 医学研究科教授、荒木望嗣 同准教授、鎌田真由美 同研究員、片山量平 がん研究会主任研究員らの研究グループは、理化学研究所と共同で、肺がん治療に効果のあるオシメルチニブに耐性となった細胞に対して、現在ALK阻害薬として開発が進んでいるブリガチニブが有効であることを発見しました。さらにスーパーコンピュータ「京」による構造シミュレーションを行い、ブリガチニブの変異EGFR(上皮成長因子受容体)タンパク質に対する結合様式ならびに、その結合に重要な化学構造の推定に成功しました。

 
 

詳しくは、C797S遺伝子変異によりオシメルチニブに耐性となった細胞に対して、現在ALK阻害薬として開発が進んでいるブリガチニブが有効であることを発見したと発表でした。

薬剤耐性のキャンセルができたということで、画期的なニュースです。

また、同研究会の他のグループで、ブリガチニブ+セツキシマブやパニツムマブ併用で耐性克服の可能性もでてきたという、グッドニュースもあり、ネガティブな内容ばかりではないことは、大変救われると思います。

2012年2月2日の北海道大学の発表では、血管新生阻害療法は、従来がん細胞よりも腫瘍血管内皮細胞を治療するものなので、薬剤への抵抗性を獲得しないと考えられていましたが、それを反して、抵抗性を獲得することでした。

これは逆に残念なニュースですね。

2015年1月8日の記事で、科学雑誌Natureの中の「化学療法耐性におけるがん幹細胞の役割」という良いニュースを発見しました。

通常の細胞は、損傷を受けた組織の修復の際に幹細胞が動員されるのと同じように、がん幹細胞も化学療法による損傷に応じて活発に増殖することがわかりました。

ここまではよくないニュースですが、その修復を促進する因子を中和する抗体があって、それをいっしょに使えば耐性は抑制されると収めています。

この研究では膀胱がんの治療にだけ話していますが、とても良いニュースです。
 
 

6)個人的感想

 

まだまだ、薬剤耐性を解消できる研究はこれからで、抗がん剤の課題は大きいと思います。

抗がん剤は完治を目指す治療ではなく、延命を目標としているもの、と担当の先生からは聞いていましたが、こういう現実をみるとやはり厳しいものがあると感じました。

その中で、薬剤耐性への阻害の研究も着々とされているという印象を強く受けたので、その点はとても心強く思いました。

また、抗がん剤の切り替えるタイミングや、患者ごとの薬剤選択の検討、それと併用する施術の検討などを詳細にすれば、抗がん剤もある程度の効果を得られるものだと思いました。

そして最後に、証拠があるわけではないですが、個人的できること、それは抗がん剤で低下した免疫力を高めるため、よく食べて、笑って、生きがいを持つように努力することがとても大切だと思いました。
 

今後の研究の成果に期待したいです。
 
 

(スポンサーリンク)
 
 

参考サイト:

日経メディカル

日本胃癌学会

北海道大学 遺伝子病制御研究所

公益財団法人がん研究会

科学雑誌Nature

湘南鎌倉総合病院
 
 

おすすめ記事

抗がん剤の副作用軽減|がんの再発・転移を防ぐためにも

薬剤師外来とは?|抗がん剤の【副作用軽減の方法】がんの再発・転移を防ぐ
がん治療の抗がん剤|副作用を軽減すれば再発・転移防止にとても期待 再発・転移の概要 手術などで、がんを取ったとしても、「再発・転移」、これががんの予後(手術などの後の状態)をとても悪くしています。 「再発・転移」と...

【がん治療】最も重要な「情報の集め方」

【がんの情報を調べる方法】最も重要な「情報の集め方」|お医者さんも万能ではない
がん治療はチームで臨む(のぞむ)必要があります 今回のがんの治療でいろいろわかったことがありました。 この中で特に重要で早くやらなくてはいけないこと、それは調べることです その調べることについてお話します 早くい...

抗がん剤の白血球減少|免疫力増加にはこれ!

抗がん剤の白血球減少|免疫力増加にはこれ!
抗がん剤を投与。副作用で骨髄抑制(白血球が少なくなること)がおきました。免疫力を付けるのに、ブロリコ を飲んでみます。

コメント

  1. DRNO より:

    最新の研究で、殆どの悪性腫瘍は、ヒューマンパピローマウイルスの感染とアスベスト±重金属の汚染の合併と分かりました。治療はいたって簡単です。平均適量は、タウリン180㎎x3~4/日とビタミンD400単位x3~4/日です。全身のウイルスやアスベストが尿中に排泄されます。癌を強力に抑える事が出来、且つ、うまくいけば治るのです。近くの薬局で買えない場合は、ネットや又は海外から個人輸入できます。タウリンはリポビタンDなどにも入っている安全なものです。ビタミンDは骨・カルシウム代謝のみでなく、脳細胞を元気にして、その再生と更に新生をも助けます。つまり健康人でも飲めますし、それなりに集中力がつき、頭が働くという事です。両者とも強力な、そして副作用の殆どない、抗がん/抗ウイルス作用が見つかっています。この情報が広まることは、当分難しいと思われます。それは試してみて、効果抜群で副作用がない事等が分かれば、自然と理解できます。また代替医療の世界で、現西洋医学に無視されていることもあります。私のブログを読まれることをお勧めします。➡ http://blog.goo.ne.jp/nobuokohama 。
    これらは必須栄養素であり、非常に簡単に誰でも何処でもできますから、是非試されることを期待します。ご参考まで。    DRNO