癌の代替治療の効果は「5.7倍▼」小林麻央さんなどが受けた治療の現状

薬箱 代替医療

がん代替治療は5.7倍治らない?【でも代替治療は必要】

 
 

最近、芸能界でのがんのニュースが特に多いように思います。

2017年に入って、自分が知っているだけで20人くらいの芸能人のニュースを聞きました。

例えば、小林麻央さん、北斗晶さん、宮迫博之さんなど、大勢の方が、がんをオープンにしています。

そんなニュース中で、
 
 

「標準治療」

「代替治療」
 
 

という専門用語がちょくちょく出てきます。

漢字を見る限り、なんとなく「標準治療」はみんながやる治療、「代替治療」は何かの代わりの治療というように感じると思います。
 
 

そんな中、次のようなニュースがありました。
 
 

代替治療より標準治療の方が優秀?

最近下記のようなニュースが話題になりました。
 
 

がんの代替治療は、5年以内の死亡率が標準治療の「最大5.7倍」だった:研究結果
( https://wired.jp/2017/08/31/alternative-medicines-toll-on-cancer-patients-death-rate-up-to-5x-higher/ )

 
 

そして、元ネタはこちら▼

https://academic.oup.com/jnci/article/110/1/121/4064136

がんの代替医療の利用とその生存への影響
スカイラーBジョンソン ヘンリー・S・パーク ・キャリーPグロス・ジェームズ・B・ユー
JNCI:National Cancer Institute、110巻、1号、2018年1月1日、121-124ページ、https ://doi.org/10.1093/jnci/djx145
発行: 2017年8月10日 記事の履歴

抽象
がん患者の代替医療(AM)の利用パターンと有効性のパターンに関する情報は限られています。我々は、化学療法、放射線療法、外科手術、および/またはホルモン療法と定義される、従来の癌治療(CCT)を受けていない患者の中で唯一の抗癌治療として投与されたAMを選択した非転移性乳房、前立腺、肺または結腸直腸癌。AM使用の可能性の増加に関連する多変量ロジスティック回帰に関する独立変数には、乳癌または肺癌、より高い社会経済的状態、西部または太平洋地域の病期、II期またはIII期疾患、および低い合併症スコアが含まれる。Cox比例ハザード回帰に関する2:1マッチング(CCT = 560患者およびAM = 280患者)の後、(リスク比HR = 2.50、95%信頼区間CI = 1.88-3.27)、乳房を有するサブグループ(HR = 5.68,95%CI = 3.22)と比較して、肺(HR = 2.17,95%CI = 1.42~3.32)および結腸直腸癌(HR = 4.57,95%CI = 1.66~12.61)を有する。稀ではあるが、CCTを伴わない硬化性癌のAM利用は、死亡のリスクが高いことと関連している。

出典:JNCI

 
 

これはアメリカでの研究結果ですが、標準治療と代替治療の死亡率の差が5.7倍という衝撃的な事実がニュースになったのです。

ただし、冷静に研究内容を紐解く(ひもとく)と、そこまで過剰な差は言い過ぎかな、と思いました。
 
 

研究内容の条件確認

研究内容の条件は下記のとおりです。
 
 

1 期間は2004年から2013年

2 調査したがんは4種類(乳がん・肺がん・大腸がん・前立線がん)

3 がんの代替治療を選択した人を基準に、同様の病気の条件で、標準治療をした人を探して比較した

4 比較のため、そろえた条件は、

 ・同じ年にがんと診断
 ・年齢
 ・人種
 ・がんの種類
 ・進行度(ステージ)
 ・保険のタイプ

5 比較した人数は全体で840人

・・・という大変手間のかかる研究のようで、ご苦労様という感じです。
 
 

比較した結果の詳細は・・・

比較した内容は5年以内の死亡率の差になります。

1 全体   :2.5倍

2 前立線がん:差なし

3 大腸がん :4.6倍

4 乳がん  :5.7倍

5 肺がん  :2.2倍

この結果をみると、平均は2.5倍で、ニュースが言うような、最大の差というのは、乳がんの場合で、5.7倍の差だということがわかります。
 
 

胃がんの標準治療と代替治療

ここで標準治療と代替治療とは、いったい何なのかということになります。

このサイトは「胃がん」についてのサイトなので、大変恐縮ですが、胃がんを中心に説明したいと思います。
 
 

標準治療

標準治療とは、その病気(例えば胃がん)になったら基本的に施術する治療で、ある程度マニュアル化してあります。

日本に住んでいる人種に一番効くことが証明された治療で、簡単に言うと、
 
 

1 摘出手術

2 抗がん剤

3 放射線治療

4 免疫療法の一部(オプジーボなど)
 
 

があり、これらを組み合わせた治療を標準治療といいます。

日本人が一番治りやすい治療ですね。
 
 

代替治療

代替治療とは、その標準治療以外の、学術的な証拠がまだない治療の全てをそういいます。

例えば
 
 

1 免疫療法(がんペプチドワクチンやNK細胞によるがん治療など)

2 ビタミンC

3 シイタケ菌糸

4 医療関係者以外が行った治療
 
 

などが代替治療にあたります。
 

【がん免疫療法】樹状細胞ワクチン療法と実施している機関

【樹状細胞ワクチン療法】の病院を聞きました
樹状細胞ワクチン療法は副作用の少ない免疫療法です。2017年3月の現状をまとめました。

 

患者側から見たこのニュースの感想

このニュースの数字だけを見ると、標準治療を受けたほうがかなり有利だということはわかります。

しかし標準治療は、体に負担がかかるものが多く、最初は標準治療を受けたくないと思うかもしれません。

しかし、がんは命に関わる病気。

理由はいろいろあると思いますが、最初から全力で行かないと、がんは取り除けないと感じます。

全力疾走で標準治療をすべきだと思います。
 
 

しかし、標準治療と言っても100%治るわけではありません。

自分にわかるのは、やっぱりがん治療は結果論だということです。

患者としては、治ればいいわけで、まず標準治療をやって、ダメなら代替治療に望みを託すのは普通の考え。

確率は低くても、標準治療でダメなら、やっていない治療をどうしても受けたくなるのは自然なことです。
 
 

現在の標準治療は優秀なので、多くは標準治療で治る時代です。

しかし、その治療法から漏れた人の希望として、代替治療もあったほうがいいと思います。

このニュースの結果はわかりますが、これが全てではありません。

人間希望があれば、ズタボロでもなんとかやれますが、絶望してしまうと、体が元気でも折れてしまいます。

お金が儲かるような治療ばかりが注目されている昨今ですが、できれば、お金が無くても希望が持てる治療にも光が当たるとうれしいと、つくづく感じます。
 
 

参考文献:
キャンサーネットジャパン
( http://www.cancernet.jp/ )

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